これは、比類なきゴルファー
(主人公名字・名前)のために
特別に書かれた本です。
2001年1月1日
(主人公呼び名) 流
ゴルフ・プレー
あなたに贈る お話の本
ニコラス・グリーンジャケット作
あき よしこ訳
ステファン・マックケルヴァイ゙画
(主人公呼び名)は
(友達A)や(友達B)や(友達C)たちと
お気に入りの(ゴルフコースの名前)に
よくでかけます。
ここで安全なのは、
フェアウェイの真ん中だけ。
そのほかの場所では、
虫も木も鳥もモグラでさえ
みんな死の危険に
さらされてしまうのです!
ゴルフは18世紀の初めに
スコットランドで生まれた競技で
あることは、よく知られています。
ささやかに始まったこの競技は、
その後世界中に広まり、今や
人気スポーツとなっています。
ボビー・ジョーンズのような
伝説的なスタープレーヤーも
生まれました。
そして日本でも、国内のツアーに
あきたらず、海外のメジャー大会を
目指すプロが増えています。
ゴルフは世界中で、さまざまな形で
プレーされているのです。
(主人公呼び名) 流ゴルフも
そのうちのひとつです。
(主人公呼び名)は以前、
「ゴルフは勝つためにする競技だ」 と
教わりました。
それ以来、いつも賭けて
プレーすることにしています。
スウィングは
チャーシューメンのリズムで
打つことや、ゴルフボールは
けっして水には浮かないことなども、
(主人公呼び名)は何年もかけて、
体得したのです。
他人のうわさとは裏腹に、
(主人公呼び名) はケチる
ということがありません。
子供の教育費、家のローンなど
あまりたいしたことのないところに
少し細かいところが
あるかもしれませんが……
ゴルフのこととなると話は違います。
ゴルファーは誰でも、パーフェクト・
ラウンドを夢見ています。
ティーグランドから
フェアウェイの真ん中に飛ばし、
グリーンをねらって正確に打ち、
パットはカップの中心へ……
こんなシンプルで謙虚なものです。
自分の年齢だけ打つことを、
究極の目標にしている人もいます。
(主人公呼び名)が20を打つのは
たやすいことです。
問題は、最初の数ホールで
その目的が達成できて
しまうことなのです。
(主人公呼び名) の生活の中で
ゴルフがいちばん大事というわけでは
ありません。
彼は何を優先させるべきか、
物事のバランスをどうとるかを
心得ています。
かつて(主人公呼び名)が
嵐の中で全コースを回ったという
事実はありません。
かれが17ホール回ったところで、
ゴルフ場がクローズになって
しまっただけなのです。
以前、ゴルフにハンディキャップ・
システムが導入されました。
これはゴルフの腕前に差がある人
同士でも一緒に競えるように
考えられたものです。
プレー最後の20ラウンドのうち
成績のよい10ラウンドをとり、
その人のハンディを計算するのです。
(主人公呼び名)にとって、
このシステムは大きな
欠点があります。
彼は数える価値のある10ラウンドを
回ったことがないのです!?
ゴルフの名手といわれるひとは、
いかなる場合にも、各種のショットで
対応できます。
例えば、フェード、ドロー、
パンチ・ショット、
ランニング・アプローチ、というように。
(主人公呼び名)も多彩なショット……
例えば、チョロ、テンプラ、ドスライス、
ドフックなどを繰り出します。
彼の持つ最高のショットは、
(友達A)と(友達B)と(友達C)命名の
“まぼろしの一撃”です。
ゴルフのラウンドを回りおえると、
いつも(主人公呼び名)は
(友達A)や(友達B)や(友達C)と
『19番ホール』 に現れます。
そこでその日のショットについて
話し合ったり、次の日程を
決めたりするのです。
おなじみのシーンではありますが、
(主人公呼び名)は仲間と
一杯ひっかけます。
それから、いかに今日は
ついていなかったか、あそこに
バンカーがなかったら、
あのショットさえうまく打っていればと
いつものことをあれこれ話し合い
賭けの借金を、作り笑顔で払います。
(主人公呼び名)がゴルフをする
理由のひとつは、運動のためです。
ほかの運動はどれも
(主人公呼び名)には不向きでした。
泳ごうとすれば体が浮かず、
テニスをやればネットにボールの
行く手を阻まれ、
さっさと切り上げたのは、
よかったのですが、
彼はホトホト疲れてしまいました。
(主人公呼び名)のようにほどよく
鍛えられた肉体の持ち主には、
ゴルフはぴったりの
運動だったのです。
(主人公呼び名)は友だちも
ゴルフも大好きだからこそ、
プレーするのです。
みんなで出かけて、自然の中で
緊張から解放されるチャンスでも
あります。
(主人公呼び名)は
こんなことを言ったことがありました。
「ゴルフボールを打つたびに、
ストレスが解消されてゆくんだよ」
事実、ゴルフをするたびに、
本当にたくさんのストレスが
解消されるのです。
ゴルフの腕はたいしたことが
ないのですが、
(主人公呼び名)はときに
素晴らしいショットを繰り出します。
以前、ディープ・バンカーから
打ったショットが奇跡的に
チップインしたことは、
いまだにみんなの語り草に
なっています。
手の5番を使ったって、
あんなショットはうてないですよね!?
(主人公呼び名)は何年間も
自分のゴルフに挫折感を味わって
きたにも関わらず、
いまだにゴルフを続けている、
その根性は見上げたものです。
彼は我を忘れて
1日中、原野や森林を
走り回るのです。
だからこそ
賭けに負けたときの支払いが
きれいなことはさておき、
(主人公呼び名)はかけがえのない
ゴルフ仲間なのです。
(主人公呼び名)はいつか
自分のゴルフの本を書くことを
夢見ています。
『3歩前進2歩後退
(主人公呼び名)のゴルフ人生辛抱だ』
『ゴルフにおける能書きとスコアの
相関関係― (主人公呼び名)著』
『(主人公呼び名)の
19番ホールの楽しみ方』
(主人公名字・名前) 様
自分流ゴルフを楽しんでください。
スコアが悪いからといって、
その日を棒にふるようなことが
ないように。
ゴルフをボウリングと同じように
考えたらいいと思います。
スコアが高いほどいいんだって
くらいに……
2001年1月1日
(贈り主) より
ゴルフは、(主人公名字・名前)にとって
まさにチャレンジなのです。
(友達A) や (友達B) や (友達C) が
(主人公呼び名)に
どうしてゴルフをするのか
問いかけます。
その答は明白です。
ティーショットがうなりをあげて、
飛んでいく瞬間。
アイアンショットがピンに
からんでいく瞬間。
ロングパットがラインどうりに
カップに吸い込まれていく瞬間……
(主人公呼び名)にとってそんな
ありふれた出来事はともかく、
ロングホールでセカンドショットが
直接カップインするような
奇跡の主人公になる為に
ゴルフを続けているのです。
(ここにメッセージが入ります。)
(2行合せて40文字までです。
(贈り主)より
2001年1月1日