■現在では館山だけの産物 |
唐棧織は、かつては博多・西陣・堺や埼玉の川越などでも生産されていましたが、植物染料を使って手で織る、昔ながらの技法で現在も製造しているのは、館山の齊藤家だけです。
■齊藤家は明治時代には、初代の茂助が東京で織っていましたが、病気をしたために妻の郷里の館山に移ってきたのが、唐棧織と館山とのかかわりの始まりでした。以後、二代=豊吉、三代=光司、四代=裕司と館山で制作を続け、昭和59年(1985年)に千葉県の伝統的工芸品に指定され、豊吉、光司はいずれも千葉県の無形文化財に選定されています。また、斉藤光司は平成12年春の叙勲で勲五等瑞宝章を受章しました。
■四代目齊藤裕司は平成21(2009)年3月17日に千葉県の無形文化財に認定されました。
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■唐棧を織る齊藤裕司 |

「小さいころから唐棧織を継ぐものと周囲から言われていたので反発を感じ、進路を決めるときに“デザインの道に進みたいんだ”と父に言ったところ、“自分の好きな道に進めばよい”と理解ある返答をされたので、かえって、自分が継ぐしかないんだな、と心を決めたのでした。今から思えば、あれは父の策略だったのかもしれませんがね(笑)」
■館山高校を卒業後、染織作家の柳悦孝(やなぎ・よしたか)女子美術大学学長のもとで修業。 |
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