※このコンテンツは、以前公開していた内容を加筆修正したものです。
素人の所見をまとめたものですので、あくまでも参考として捉えていただければ幸いです。
また、明らかな誤りや専門家の方のご意見がありましたら、ぜひお知らせください。

 マウスピース選びあれこれ(序文)

マウスピース選びが重要なことは言うまでもありません。
プロ奏者ならずとも、管楽器奏者の方でしたらみなさん一言おありの事と思います。
今更私の様な素人がとやかく言うことではありませんが、「選び方」について全く知識の無い方々の参考になれば・・ と思い作成しました。

私自身の現在のマウスピースにたどり着くまでの経験を元に進めていきますので、かなり偏った内容になるかと思い ますがご了承下さい。
また私自身もまだまだ未開の領域ではありますが、他の熟練された方々のご意見も bbs に書き込んでいただければ、 有益な情報交換が出来るかと思います。

※現在、bbsは休止中です。再開は未定ですが、mixi辺りで見つけてください(笑)

「選び方」の流れとしては、

1.自分に合ったおおよそのリムサイズを選び出す。(似通っていますが、各メーカーとも微妙に違う為)。
2.楽器とのマッチングも見ながらカップサイズを選ぶ。
3.求める音色に近いメーカーを探す。

となります。

1と3はかなりの数があるので数をこなして探していただくとして、問題は2のカップサイズです。
主だったメーカーはリムサイズに対するカップサイズやリム形状が決まっていいて、バリエーションが選べないので(BachやYAMAHAなど) 楽器とのマッチングやリムサイズに対する好みのカップ形状なども考慮に入れると中々良い物が探しにくいかと思います。

このページの最下部で紹介しているラスキーでしたら、豊富なリムサイズに、それぞれ共通するカップサイズが数種類づつ (4〜6種類)用意されているので選びやすさからもオススメします。
ただし、リム形状、スロート径、バックボアなどは共通ですので、まずは好みに合うかをお試しください。

補足として付け加えますと私もかなり経済的に損をしていますが、周囲の人の「〜の○○番は具合イイよ」なんて言葉に 騙されてマウスピースを購入してしまう事は避けたいところです。

何故ならその人にとっては良いサイズかもしれませんが、そのサイズが自分に合うかと言うとそうではない事が大半です。 しかしながら、例外として過去に特定のジャンルのプレイヤーの間で爆発的に流行した「定番」もあるのも事実です。

例を上げると、ビックバンド系のリードプレイヤーに支持された"パービアンス(Purviance) 4☆D4"や、"オールドバック(Vincent Bach) 3C"など もはや伝説のような名マウスピースもあります。
それらは若干高値のケースが多いですが、市場に出回った数が多いからか探すのにそう苦労しません。
過去の名工により作成され、多くのプレイヤーに支持されたモデルを試すのもまた楽しい物ですね。

マウスピース選びとは「吹きやすい物」を探す事ではなく、「良い音が鳴る物」を探す事です。後はひたすら練習して、 そのマウスピースに「慣れる」事が大事であると思います。

 まずはベストサイズを・・(リムサイズのお話)

背の高い人、低い人。痩せた人、太った人。体型で服のサイズが違うように、マウスピースのリムサイズも人それぞれです。

これには諸説があり「自分にとって可能な限り大きな物を選ぶ」と、言う人もいれば、「唇の厚い人は小さめの物。 逆に薄い人は大きなもの」(又はその逆)と言う人もいるなど様々です。

私は時間的制約で中々吹く機会も確保しづらいので唇の回りの筋肉も未発達なため、当初はBach3C相当のサイズを使って いましたが、演奏機会に恵まれることが続くと段々窮屈に感じるようになり、2C相当→1-1/2相当へと出世魚のように(笑) サイズアップしていきブランクが続くとまた2C相当サイズがマッチしたり・・と、かなり落ち着きがありません。

まぁ、この辺はあきらかに「練習不足」が要因かと思いますけどね・・

しかし、こればかりは実際に色々なサイズを吹き比べる以外に確かめ様が無い事ですので、なるべくマウスピースの在庫を 多く持っているショップに足を運んでみるしかありません。

買って来てしばらく使っているうちに合わない事が分かることも多いので(はじめはこれに苦しむかもしれません)、 「一回で決まる」とは決して考えないで下さい。

「良い音の鳴る物」を選び、後はひたすら練習してそのマウスピースに自分が慣れる事が大事だと私は思います。

たった数分間の試奏での「吹きやすさ」なんて、その日の体調や唇の状態でごまかされてしまう事が結構ありますので (私はコレで結構泣きました(笑))、直感的に良い音が鳴るサイズのマウスピースを選び抜いてください。

結果的に自分の基本となるサイズが決まるまでは少なくとも2、3本は買うことになるかもしれませんが、それを乗り切り サイズがほぼ決まれば後は選びやすくなるかと思いますので、経済的にも体力的にも頑張っていただきたいかと思います。

メーカーは何でも構わないと思いますが、個人的にはBachやヤマハ、クドイようですがラスキーなどが無難ではないかと 思います。最初は、標準とされているサイズ(一般的には7C相当。標準サイズに関しては次項で・・)から、大きくしていっ たり、小さくしていったりして、試してみてください。

参考までに・・

一般に言われている事として、小さい方がハイトーンが楽だけど音量が稼げないようです。逆に大きいと低音が楽になる 傾向がありますが、ハイトーンが出にくいという話も聞きます。

 標準サイズって、何の標準?

前項の補足になりますが、メーカーの言うところの「標準サイズ」について結構誤解があるようなので簡単に説明しよう かと思います。

「標準」と言う表現がまたクセものです。言葉だけ聞くと、「一般的な多くの人に合うサイズ」のように感じませんか? ところがこれはあくまでも「基準」を指しているので、可もなく不可もなくといった極めて中庸なサイズのものですが、少なくとも あなたの為の1本ではありません。

新品の楽器を買うと、付属品として付いてくるマウスピースが大体そのメーカーの標準サイズです。
(勿論、付いてこないメーカーもありますが。)
しかし、楽器は年齢や性別、また人種など特定のターゲットを持つ商品ではありません。大人も子供もコレでバッチリ・・ と言うのも無理がある話しです。

つまり「標準」と言うのは、「このサイズを元に自分に合ったサイズを選んでください」といった意味合いの「標準」 なのです。

中にはそれをそのまま使い続けて他の物を試しもせず、「これが自分に合っている」と思い込んでいる方も稀に おりますが、ただ単にそれは長い間使用してきた事による「慣れ」でしかありません。
(当然ながら、ベストマッチする方もいるでしょうけど・・)

私も小、中学と、YAMAHAの楽器に付いてくる物を深く考えずに、一度楽器から離れる時期まで使っていました。 周囲の仲間もそんな感じで、現在も地方の公立学校のバンドではそのような状況ではないかと思われます。
卵から孵った雛鳥が初めて見た動く物を親鳥と認識してしまうのと似ていて、生れて初めて使って、ちゃんと音が出るまで 練習に使ったマウスピースを自分に一番合うサイズと誤認してしまい勝ちです。
初めて楽器に接する人の前にマウスピースをズラリと並べて、「一番合うものを選んでください」と言うのはちょっと無理な 話ではありますが、「慣れからくる吹きやすい物」と、「良い音が鳴る物」は全くの別物です。

私もこの「標準サイズ」の認識の誤りから結構苦労しましたが、その誤った認識に至ってしまったのには次のような原因が ありました。

十数年前に亡くなってしまったスタジオミュージシャンのO氏に、楽器に関していろいろとアドバイスをいただいた事が ありました。生来のBach党であった氏が初めて楽器を手にした当時、Bachのトランペットに付属品として付いてきた マウスピースは3Cで(*1)、それ以来「3C相当のサイズしか使っていないし、このサイズでないと合わない」と言う話を聞いて、 それ以来メーカーの「標準サイズ」は多くの人に受け入れられるサイズであると勘違いをしてしまっていました。

この、O氏からいただいた言葉には、結構面白いものがありますので機会があったらご紹介します。

さて、その「標準サイズ」に話を戻すと・・
YAMAHAのマウスピースカタログにも、ラインナップ中最も多くの楽器に付属する"11C4"(*2)が最もスタンダードなサイズである と謳ってあります。その「基準サイズ」を元に、サイズを大きくしたり小さくしたり、また深く浅く・・、と言った具合に選ん でいくという感じでしょうか。

同等とされるサイズでも、メーカーによって音色が違うのがマウスピースの面白いところですが、服や靴のサイズと同じよう にまずは自分にあった「自分の基準となるサイズ」をある程度把握しておく事がマウスピース選びに大切な事です。

*1)随分古い話ですし、はたして当時のBachに3C(時期的にマウントバーノン期か?)が付いてきていたかどうかも未確認。 現在のBachの標準サイズは7Cです。

*2)その当時は11C4でしたが、現在は11B4のようです。ともにリムサイズはBach7C相当。

また、リムサイズをはじめ、トランペットのマウスピースサイズの世界標準はやはりバック(Vincent Bach)でしょう。
様々なメーカーのサイズを比較検討する際に、「Bachの〇〇相当」と言う表現は良く使われますし一番分かりやすい例え方です。
Bachのサイズについては、多少なりとも知識を持っていたほうが良いと思います

 深いか、浅いか・・(カップサイズのお話)

カップサイズは何に影響するか??奏者の耐久性や音色の厚みに大きく関係すると言われています。浅いカップは耐久性に 優れ、深いカップは太くダークな音色を出す、と良く言われますが、それらを踏まえた上で好みで選んでいただいて結構ではな いかと思います。

そう言ってしまうと元も子もありませんが、カップサイズはお使いの楽器とのマッチングもあるかと思いますので、最初は 中位のサイズで吹いていて、好みがはっきりしてきたら,浅い物や深いものを試してみてはいかがでしょうか?

私は元々浅めが好きなんですが、音色が薄い事が悩みの一つでしたので、深いものをいくつか試してみましたが、同じ リムサイズでもどうやら深いカップのものは合わないようです。
私自身が浅い物に合っているのか、今の楽器に深い物が合わないのか分かりませんが・・。

ここまで書いておいて非常に無責任ですが、私にあまりカップサイズに関する知識が無いのがお恥ずかしい・・(;^_^A

最後に楽器とのマッチングについてですが、これはYAMAHAの金管マウスピースカタログに詳しく書いてありますが、 楽器に差したときに、シャンクの先端と楽器のレシーバーとマウスパイプ接合部の段差との間に生じる隙間の大きさによって大きく異なります。 この隙間の大きさが、吹いたときの抵抗感となって現れます。

理想的な隙間の大きさになるようにマウスピースを作っているようですが、楽器のメーカーとマウスピースのメーカーが異なる場合、 それぞれ隙間に大きな差が出来ますのでこれもまた頭が痛い問題です。

また楽器が製造された年代や、メーカーによってレシーバーの長さ、テーパーの形状などが異なります。

理想的な隙間は2mm〜2.5mm程度と言われていますが、シャンクを加工して楽器に合わせる方もいる位重要ですが、高価なマウスピースを 削るのは、中々勇気が要りますよね。

当然、シャンクを調整加工したマウスピースは、他の楽器のレシーバーにはマッチしないケースが多いので更に悩ませてくれます。
本当に自分に合ったマウスピースがこの世にあるのか?と、たまに悩む時もありますが(苦笑)マウスピース選びは楽しい面もたくさんありますので、 一生のテーマ(大袈裟?)として続けていきたいものです。

余談ですが、そんな自分に合ったマウスピースを追い求め、過去数十本にのぼり買い続けた挙句に、最終的にはメーカー標準サイズのものに落ち着いた という話も良く聞く話です。
マウスピースとは焦ってムキにならず、無理せずにお付き合いしていくことをお勧めします。

 LASKEY マウスピースの紹介

ラスキー(Scott Laskey)は、アメリカのマウスピース製作者のスコット・ラスキー氏によるハンドメイドマウスピースです。
氏は、シルキーで長年マウスピース製作に携わった経験があり、その品質には定評があります。

ネット上で話題を聞きつけ、早速相模原にあったTrumpet Loungeで購入してから早十数年。
今では、私の愛用マウスピースの一つになっているラスキーをご紹介します。

現在では下火ムードですが、一時期は口コミで物凄い人気を誇っていました。
日本国内での普及に大きく力を注いだTrumpet Loungeも残念ながら閉店してしまいましたが、今では多くのショップさんで 取り扱っていますので、興味のある方は調べてみてください。

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