『大八車との出会い』

『現況報告』

昔から修行を行う前に、前行(ぜんぎょう)を行うのが習いです。
ある行者は、行が失敗した場合には切腹する覚悟を表すために短刀を持つと聞きます。
そのため、失敗が無いように何年も前行を重ねます。

今回の行脚修行でも失敗は許されません。
綿密な準備と前行を行う必要があります。
京都〜高徳院までの道のりが約700kmですので、それ以上の距離を前行として歩く
必要があります。

そこで、地元の安房国観音霊場を3周すると700km弱になることから、
『安房国観音霊場三周行脚修行』を第一段階の前行と致しました。

第1周目は寺務の合間をぬい、10月29日に魔事無く結願致しました。
1周目ということもあり空身で歩きました。

現在は2周目です。
2周目は本番を想定して、伴走車つきで、練習用大八車を引き、歩いています。

第二段階の前行は、更に本番さながらに随行者を付けて、連日で坂東観音霊場
一周(約1000km)を検討致しております。

資金、随行者、伴走者等々少しでもご支援くださいますようよろしくお願い申し上げます。

歩いてみて改めて今回の修行の難しさがわかってまいりました。
当院も小さな寺院であることから経済的にも厳しい状況に陥っ
てきておりますので、すぐに開始するのではなく、一度初心に
立ち返り、検討すべき処は検討し、更なる精進が必要であると
強く感じました。
何年かかるかわかりませんが、ご厚情と忌憚無きご意見を賜り
ますようお願い申し上げます。

2008年10月分の行程表はこちら→

前 行

『慈しみの輪を広げるには?』

 京都から観音様と供に歩くには観音様に乗っていただくお車が必要です。
悩みに悩んでいたとき千葉県の文化財関係者から大八車を作る事のできる
伝統工芸師のお話を頂きました。

早速、伝統工芸師「坂井武雄師」にお願いにあがったところ、快く引き受
けてくださいました。伝統技術は圧巻でした。
慈しみの心を広める手段を考案中ですが、お札を配布しながら行
脚するなどのご意見を頂いておりますが、他にも皆様のご意見を
お聞かせ下さい。

《安房国観音霊場巡礼行程表》

※訪れたお寺は青字にしてあります。
 写真はサーバーの容量制限の為、
 ブログ(作成中)でUPしています。

坂井武雄師
この作品を生涯最後の
作品にするとおっしゃ
って頂きました

丸い車輪をつなぎと
める

今回は特別にベア
リングを中に装備
致します。

2008年6月〜7月分の行程表はこちら→

行脚修行を始めるにあたって→

単位(km)
高徳院 住吉寺 3.5
住吉寺 小松寺 6.6
小松寺 観音院 5.2
観音院 小網寺 1.0
小網寺 長福寺 5.0
長福寺 震災観音堂 2.0
震災観音堂 崖ノ観音 8.0
崖ノ観音 真勝寺 3.5
真勝寺 興禅寺 2.0
興禅寺 新御堂 5.8
新御堂 長谷寺 5.7
長谷寺 勘修院 3.5
勘修院 宝珠院 4.1
宝珠院 延命寺 1.9
延命寺 真野寺 11
真野寺 智光寺 9.5
智光寺 石堂寺 4.8
石堂寺 普門寺 5.9
普門寺 石見堂 14.8
石見堂 清澄寺 13
清澄寺 石間寺 16.7
石間寺 滝本堂  9.6
 滝本堂  高照寺 10
高照寺 神照寺
2.7
 神照寺   金銅寺  7.7
金銅寺  往生寺  1.2
往生寺  天寧寺 3.9
天寧寺 観音堂  6
観音堂 信福寺 1.8
信福寺 日本寺  5
 天寧寺  長谷寺 2.5
長谷寺 水月堂  0
水月堂 福満寺 5.3
観音院  自性院 3.4
自性院 金蓮院 3.6
金蓮院  養老寺 10.6
養老寺  那古寺 14.9
221.7
高徳院連絡先
 
 
電話 0470-43-1010

2周目は練習用大八車を引きながら歩いています。行程表はこちら→

完成です。
コ院に安置

2008年8月分の行程表はこちら→

伝統的技法の「焼き
ばめ」

※焼きばめとは

 
車輪の外側に鉄をはめ込むという、伝統的技法の「焼きばめ」です。
鉄の輪を焼き、真っ赤に焼けたまま車輪の外側にはめ込みます。
水槽の中に入れると鉄が締まります。
この伝統的技法は日本で数人しかすることができない技法で、坂井さんは
この大八車を「一生の大作にしたい」とおっしゃって下さったので、この
技法を用いることに致しました。