(主人公名字・名前)さま
メリークリスマス!
これは あなたのために
特別に作られた本です。
(この部分に20文字のメッセージを)
(2行入れられます)
2001年1月1日
(贈り主)より
(主人公呼び名) の
クリスマスの願いごと
あなたにおくる おはなしのほん
ますやま あつし作
CABジャパン編集
ヴァレリー・ウェブ画
幼い頃、クリスマスの朝には、
プレゼントがいつも枕元におかれて
いました。
でも(主人公呼び名)は、もう自分で
プレゼントを 探しにいかなければ
ならないのです。
『電話一本、30分でお届け』してくれる、
ピザ屋みたいなサンタクロースは
いないかなあ。
プレゼントのことを考えすぎて、
(主人公呼び名)の頭は
オーバーヒート気味!
そのときでした。
郵便受けがコトリ、
と小さな音をたてたのは。
「今年のクリスマスプレゼントは
どうしよう?」
(年齢)の(主人公呼び名)は
ため息をつきました。
世の中はクリスマスムード一色。
街はうきたつような空気に
包まれています。
でも (主人公呼び名)の目下の悩みは、
(友達A)と、(友達B)と、(友達C)への
クリスマスプレゼントが
きまらないことなのです。
部屋に飾られたクリスマスツリーを
眺めながら、(主人公呼び名)は
(年齢)回目のため息をつきました。
(主人公呼び名)は、信じられない、
と思いました。
サンタクロースなんて架空の人物で、
そんな話はとっくに卒業した
はずなのに……
でも手紙には……
サンタクロースなんているもんか、
と思っておるじゃろう。
サンタクロースを見たかったら、
クリスマスイブにサンタクロースの
国にくるとよい。
世界中の国々に飛び立つ
サンタクロースのソリを、
一般公開しておる。
(主人公呼び名)はやっぱりそうかと
思いました。
これは最近、近所にできたケーキ屋の、
ダイレクトメールに違いありません。
でも手紙の文章はまだまだ続きます。
プレゼントの用意ができると、
こんどはトナカイたちの準備を
しなきゃならん。
金の鈴がついたひもを、一頭一頭
つけていくんじゃ。
これがあの有名な
「ジングルベル」というきょくになるんじゃよ。
(主人公呼び名)はちょっとばかり
想像してみました。
もし自分がサンタクロースの国に
行けたら!なんてわくわくする光景
なのでしょう。
そうか、これは旅行会社の
パンフレットなんだ!?
『冬休みはスキーをかねて
サンタクロースの国へ!!』
こんなキャッチコピーがうかびました。
みんながわしに手をふってくれておる。
いよいよ出発じゃ。
忘れ物はないかな?
(主人公呼び名)は、
またわからなくなりました。
どうやらこれはケーキ屋どころでは
なさそうです。
もしかするとフライドチキンの店かも
しれない!?
(主人公呼び名)の脳裏に、小太りで、
めがねをかけ、いつもニコニコして
町角に立っている、とあるおじいさんの
姿がうかびました。
わしはみんなの視線を浴びながら
ソリに乗り込む。まるでスターになった
きぶんじゃ。あたりは大騒ぎさ。
みんなの寝顔を見るのもいいが、
幸せそうな笑顔を見るのは、
もっといいもんじゃよ。
めざす家に到着すると、さあ仕事じゃ。
エントツから、といいたいところじゃが、
近頃はエントツのない家が多いから
大変じゃ。
なんとか家に入りプレゼントを置いたら、
すぐ次の子の家にいかなきゃならん。
プレゼントのリストは、
子供たちの名前でいっぱいじゃ。
こんどは警備会社の
パンフレットかな?
と(主人公呼び名)は思いました。
『サンタクロースも入れない防犯装置』
じゃ、サンタクロースが
かわいそうです。
それからわしは、トナカイたちに、
「さあ、行こう!」と声をかける。
するとそりはあっというまに空の上。
空気は冷たいが、
とてもよい気持ちじゃ。
いちど乗せてやりたいくらいじゃよ。
この手紙は航空会社の
パンフレットかもしれない!?
と (主人公呼び名)は考えました。
北欧の空を遊覧飛行する会社
なのです。でも、(主人公呼び名)は
高いところはちょっと苦手です。
クリスマスの前には、
たくさんのおもちゃを作る仕事が
わしを待っておる。
家では、一日中にぎやかな音が
しているが、それはおもちゃを
作る音なんじゃ。
こんどは隣町にできた大きな
おもちゃやさんかな?
と (主人公呼び名)は考えました。
そして子供のころ、目が覚めると、
きまって枕元に置かれていた
プレゼントのことを思いうかべました。
昨夜までなかったおもちゃが、
朝そこにあるのは、とても不思議で、
魔法のようでした。
目のまわるような夜を過ごして、
クリスマスの朝に帰ってくるころは、
もうへとへとじゃが気分はそう快じゃ。
この一夜のために、一年をすごして
おるからな。
わしは妻に子供たちの様子を
話してやる。
あの子は今年もいい子にしておったよ、
というと、妻もとても嬉しそうじゃ。
そうそう、わしは (主人公呼び名)の、
子供のときの 寝顔をみたことも
あるんじゃよ。
結婚案内のパンフレットだったのか、
と(主人公呼び名)は思いました。
でもサンタクロースにも
おくさんがいるなんて!
そろそろたくさんのプレゼントが、
きれいに包まれて、いろんな
国に旅立つところじゃ。
サンタクロースのプレゼントと
いうもんは、ただおもちゃを包んで
いるだけではないぞ。
その中には、
夢だの、希望だの、感謝だの、
愛情だのといった 気持ちが
いっぱいつまっとる。
子供たちは、プレゼントをあけたとき、
その気持ちも一緒に受取ることに
なるんじゃ。
もちろん、(主人公呼び名)や
(友達A)と、(友達B)と、(友達C)への
プレゼントにも入っておるとも。
(主人公呼び名)、
おまえさんはもうおもちゃで遊ぶ
子供ではないが、今回の
クリスマスには、
特別にプレゼントをあげることに
しよう。
はてさて、何だと思うかね?
この手紙を最後まで
読んでくれれば
わかるが、それはまだ秘密じゃ。
わしは空をひとっ飛び。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、
アジア、そして (住んでる場所)
にもプレゼントを届けにいくぞ。
プレゼントを待っとる子供たちは
世界中におるからな。
そうじゃ、忘れておった。
わしがこんな手紙を書いたのは、
理由がある。
プレゼントが無事おまえさんへ
届くには、ひとつ条件が
あるからなんじゃ。
それはクリスマスの朝に、ひと言
こういえばよい。
つけくわえるなら、できるだけ明るく、
楽しくやってくれ。
(主人公呼び名)は、
いそいで最後の紙をめくりました。
そこには……
さあ、いよいよ出発じゃ。
わしはおなじみの赤い服を着る。
北極の空の凍るような寒さも
気にならんような、完全防寒仕様じゃ。
プレゼントをつめた大きな袋を
ソリに乗せ、
たくさんの子供たちに会えるのも
もうすぐじゃ。
外はもう、しんしんと雪がふっておる。
(主人公呼び名)、おまえさんへの
プレゼントは、(贈り主)に
あずけておいた。
ま、楽しみにしておれ。
(主人公呼び名)は、
(友達A)と、(友達B)と、(友達C)への
プレゼントを選びにコートをはおると、
楽しそうに出かけて行きました。
ポケットには、
サンタクロースからの手紙が
入っています………
メリークリスマス!