4049を使った可変速連射装置

(2013.5.11)
久しぶりに更新したのをきっかけにちょこっと検索してみた結果、 可変速連射装置を作ってくれた人が結構いるということがわかりました。

あの回路は幅広い連射スピードを作り出せるのが特徴で、毎秒 1.77〜2058発(計算値)の間で連射スピードを調整することが可能です。

ただ、通常のシューティングゲーム等において毎秒100発超などは全く無意味なスピードであり、毎秒20発の辺りでスイッチの切り替えが必要になることからちょっと使いづらいモノとなっているかもしれません。

と、いうわけで単純なボリューム式連射装置の回路図を描きました。

連射スピードは計算上 毎秒7.6〜45.5発ぐらいになるはずです。

実は私が初めてアーケードゲームに組み込んだ連射装置がこの4049を使った回路です。
(上の回路の基板上に連射[ON][OFF]を切り替えられるスライドスイッチを付けていました。)

組み込んだのは1986年4月頃、当時人気が絶頂だった傑作シューティングゲーム「ファンタジーゾーン」です。
当時、連射といえばファミコン用の「ジョイボール」が出ていましたが、(私の知る範囲で)アーケードゲームには連射装置が付いていなかったので、かなり珍しがってもらえました。

「ファンタジーゾーン」ならではの問題として、「SHOP」に入ったときと「LASER」を買ったときに連射状態だと不都合が起こるので「連射」ボタンと「通常」ボタンを用意しなければなりませんでした。
当時の最新コントロールパネルは3ボタン分の穴が開いていた(「アッポー」がヒットしたおかげ?)のはラッキーでしたが、問題は配列です。
[通常][連射][BOMB]にするか、[連射][通常][BOMB]にするか、いっそ切り替えスイッチに…さんざん悩んで
最終的に[通常][連射][BOMB]にしたような覚えがあるのですが…どうだったかなぁ(^^;
(ファンタジーゾーンは複数台導入されていたのでこの台は「連射優先」にしたような覚えがあります。)

導入後数日はボタンの説明に「連射ボタン」とは書かず「ドクロマーク」と「押すべからず(「押したら危険」だったかな?(^^;)」の文字を書いて気付かれるのを待っていたのですが、多くのお客さんは律儀に守ってくれたようで、「押したらどうなるの?」的な問い合わせが結構あったため「連射ボタン」として解放しました。

この装置のA,Bボタンの連射出力は位相が逆、つまりAがonならBがoffになります。
ファンタジーゾーンの場合、テーブル筐体の1P側と2P側に割り振っていたため全く意味はありませんでしたが、約1年後に「ドラゴンスピリット」が出て図らずもその真価を発揮することになります。

と、昔話はこのへんにして…

毎秒30発超の連射は意味がないことがわかっているので最高スピードをもう少しだけ抑えたい思います。
1/(2.2CR)の計算式に当てはめると抵抗を 150KΩにすれば最高スピードが 毎秒30.30発になります。
ただ、これだとマージンが小さすぎて個体差や温度によっては最高スピードが毎秒30発に届かない可能性もあります。
というわけで、100KΩと33KΩを直列に繋いで133KΩとします。
これで1/(2.2CR)に当てはめると34.176発になり、いい感じです。
ボリュームは500KΩにして1/(2.2CR)に当てはめると毎秒 7.18〜34.176発となり、かなり使いやすい連射スピードになったのではないかと思います。
(コンデンサの容量は個体差や温度によって変わるので多少の違いが出ます。)

ついでに対応ボタンの数を増やしました。
A系同士、B系同士は同時押し連射となり、
A系とB系は位相が逆になるので交互連射となります。
(部品を少しでも減らしたいという場合は「抵抗とトランジスタのセット」単位で減らしてください。)

細かい接続方法等はそのうち解説する…かもしれません(^^;

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