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千葉日報 平成14年 4月12日(金曜日)掲載

海洋深層水を商品化   
商品化した海洋深層水を持つ田村さん夫妻
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富山町の田村さん
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汲み上げ水深400メートルから
20年前から追求続け
県内で初

 21世紀の地球的資源として注目されている「海洋深層水」を産業や町おこしに役立てようという動きが活発化しているが、富山町の漁業者が県内で初めて商品化することに成功した。20年前から、海洋深層水の持つ魅力に興味を持って、海洋研究所を設立して深層水を追求してきた。東京湾の岩井沖の水深400メートルの海水を汲み上げて、ミネラルたっぷりの海洋深層水として、3月末から販売を始めた。
 海洋深層水の事業化への研究は、県が今年度から鴨川沖で試験取水を始めるなど、県内では白浜町、館山市、富山町でも進んでいる。こうした状況での、個人事業者による先駆けた商品化は一石を投じそうだ。


 海洋深層水の事業化に乗り出したのは、同町久枝のタムラ海洋研究所代表の田村繁さん(58)。もともとは、定置網漁や民宿を営んでいる漁師さん。
 海洋深層水に興味を持ったのは20年前。定置網の全国会議で、高知県に出向いた時に、深層水の持つ魅力に触れた。
 「高知の漁師に『エサを何もやってないのに育つんだよ』と、見事なアワビを見せられた。これが海洋深層水とのつきあい」と話す田村さん。
 それ以来、定置網漁と並行して海洋深層水の研究を深めてきた。県内のいろいろな団体が海洋深層水に注目する前に、田村さんはいち早く、事業化に向けて深層水の成分分析など研究を着々と進めていた。
 当初は、深層水をアワビ養殖に利用しようと考えたが、韓国産の台頭など国際化競争の激化で無理と断念。これに変わったアイデアをして、海洋深層水が浮かんだ。自宅近くに脱塩装置を設備した工場を建てた。今年1月には保健所から飲料水製造販売の許可を得て、3月末から一般に販売を開始した。商品名を南房総の香りたっぷりの海洋深層水「ミネちゃん」(1.8リットル)として売り出している。
 意匠登録も出願中でマグネシウムが多く含まれ、容器がペットボトルでなく、環境対応容器を使用しているのが特徴になっている。
田村さんは「今後の課題は、脱塩後の塩の利用方法。(魚の)開きづくりに使うと、独特の風味が出るんです。地元で、うまく使えたらと思っています。」と話していた。
 県内では初めてとなる海洋深層水の商品化。事業化に向けて研究を続けている団体にとって大きなインパクトとなり、「商品化競争」は激化が予想される。