安井曽太郎外房風景

 昭和6年の夏、江澤館に滞在した安井画伯は、作風が調子づいた43歳であった。四階の一室からの眺望を好み人も近づけずにこもり、眼下の海風を写生した。 安井画伯の風景画では代表作の「外房風景」はこうして生まれた。いまこの部屋の北側の出窓をあけると、窓辺の植えこみ越しに、半世紀後の「外房風景」がみえる いま大原美術館に収蔵されている「外房風景」は、横長の白を多用した色調の大作である。夏の陽光をうけた水土と生活が幅広く描かれており、海風さえ感じさせる力作である。昭和6年9月第18回二科展に出品された。
    千葉県立美術館 前館長 高橋 在久

 
安井先生が、「外房風景」を製作した本館四階の部屋