父の遺志継ぎ 公僕チャンピオン

 高校時代は典型的な不良少年だった。停学、補導の連続で、父・浩さんに何度頭を下げさせた。
役所に入って6年後の24歳で、ボクシングを始めた。もともとけんかは嫌いじゃないし、「どの世界でもいいから、のしあがんべ」というハングリー精神があった。

 何よりも今は亡き父が、ボクサーの夢を捨て家業の漁師を継いだことへの思い入れがある。練習は「亡父へ孝行」との一心で耐えてきた。
 「公務員をやりながらでも、ここまでできるんだと証明できてうれしい。